仮想通貨市場では、ビットコインやイーサリアムといったメジャー銘柄に加え、今後の「上場予定の仮想通貨一覧」に注目が集まっています。
次に来るのはどの通貨なのか?と日々情報を追いかける投資家やユーザーも増えている中、ひときわ異彩を放っているのがパイネットワーク(Pi Network)です。パイネットワークは、スマホで簡単に仮想通貨Pi(パイ)がマイニングできるというユニークな特徴から、世界中で話題となっています。
ここではパイネットワークの上場がいつになるのかの見通しと、パイネットワークが怪しいと言われる理由について詳しく解説します。
パイネットワークとは?
パイネットワークは、スマートコントラクト機能を備えたブロックチェーンプラットフォームで、独自の仮想通貨Piを発行しています。このプロジェクトは、スタンフォード大学出身のNicolas Kokkalis博士とChengdiao Fan博士が率いるチームによって開発されています。パイネットワークの最大の魅力は、スマホアプリで誰でも簡単にマイニングができるという点です。
スマホで簡単にマイニング
パイネットワークのマイニングは、専用のスマホアプリを使用し、24時間に1回ボタンをタップするだけで完了します。これにより、従来のビットコインマイニングのような高性能な機器や電力を必要とせず、多くの人が気軽に仮想通貨を獲得できる環境を提供しています。
パイネットワークの上場はいつになるのか?
パイネットワークのメインネットは2025年2月20日にオープンメインネットが正式に開始され、Piは外部取引所との接続も可能となり本格的な取引が可能となりました。
Piは複数の大手暗号資産取引所(OKX、Gate.io、MEXC、Bitgetなど)に上場し、現物のPiトークンがユーザー間で自由に売買されています。ただし、Binanceなど一部の超大手取引所にはまだ未上場であるため、今後さらなる上場発表が期待されています。
なお、以前出回っていたIOU(疑似トークン)とは異なり、現在取引されているのはメインネット上の正規Piトークンです。2025年6月時点のPi価格は、取引所によって価格差はありますが、おおむね0.7〜1.7ドル前後で推移しています。上場に伴い価格の乱高下も見られるため、引き続き価格推移を注視する必要があります。
パイネットワークが怪しいと言われる理由
パイネットワークが怪しいとされる理由には、いくつかの要因があります。
開発の進捗が遅い
パイネットワークは2021年末にメインネットへの移行を発表しましたが、現在でもクローズド環境での運用が続いています。この進捗の遅さから、詐欺プロジェクトではないかとの懸念が広がっています。
マイニングメカニズムへの疑問
スマホアプリをタップするだけで仮想通貨を獲得できるという仕組みは、多くのユーザーにとって魅力的ですが、同時に本当に価値があるのか?という疑念も生じています。従来のマイニングは高い電力消費と計算能力を必要とするため、Piのマイニング方法がどのようにブロックチェーン技術と結びついているのか不透明だと感じる人もいます。
KYC(本人確認)と個人情報のリスク
パイネットワークでは、メインネット移行時にKYC(Know Your Customer)が必要です。パスポートや運転免許証などの個人情報を提出するため、一部のユーザーは個人情報の悪用を懸念しています。KYCは仮想通貨業界で広く採用されていますが、プロジェクトの透明性が低い場合は、特に注意が必要です。
ベトナム当局による調査
パイネットワークは2023年6月、ベトナムで大規模なイベントを開催し、参加者から有料チケットを徴収していたことが報じられました。この行為がマルチ商法に該当する可能性があるとして、ベトナム当局は同プロジェクトに対する調査を開始しました。さらに2025年3月には、Piの利用拡大に伴う広告活動に対しても正式な警告を出しており、当局は注意喚起を継続しています。これらの動きが一部で不信感を生む原因となりプロジェクトへの信頼性が揺らぐ要因となっています。
まとめ
パイネットワークは、スマホを活用したマイニングという斬新なアイデアで多くの注目を集め、2025年2月にオープンメインネットへ移行したことで、ようやく上場が実現しましたが運営の透明性や法的調査などへの懸念も依然残っています。プロジェクトが今後どのように展開されるかは未知数ですが、慎重な姿勢で情報収集を続け、リスク管理を怠らないことが大切です。現在では世界中で累計数千万ユーザーが参加しており、Piのマイニングによる流通枚数の総額も拡大し続け、さらなる発展に向けた期待が世界中で高まりを見せています。